AWRウェアハウス機能をいろいろと試しているうちに、いくつか注意したほうがよさそうな変更点に気付きました。ご存知の通り、AWRウェアハウスはEMのジョブ機能を多用しており、EM13cではさらにその度合いが増しています。EMのジョブシステムは(EM13c)で大きくオーバーホールされました。そこで、この変更によってAWRウェアハウスにデータベースを追加していくときにどういう影響があるのか見ていきましょう。
検出
EM13cでAWRウェアハウスにデータベースを追加して数分すると、コンソール上では「スナップショットがアップロードされていない」と表示されることに気づくでしょう。この画面を使っている人がこれを見るとちょっと警戒するかもしれません。
以前のリリース(EM12c)では、これは何か構成に抜け漏れがあることのしるしでした。たとえば$AGENT_HOMEディレクトリにAWRスナップショットのダンプを配置するだけの十分なスペースが無いとか、優先資格証明が設定されていないとか、そういったことです。これをトラブルシュートするには、対象のデータベースを選択し、「アクション」→「スナップショットのアップロード」をクリックします。そうするとDBMSローカルジョブを除く(アップロードの)ジョブ全体が流され、EMジョブシステムによってログが残されますので、進捗を監視することが容易になります。
後者(のEMジョブシステム)は引き続き(EM 13cでも)使用されています。ジョブは引き続き一連のプロセスをログに残し、EMジョブを使用してすべてのステップを実施します。ですが、このおなじみのトラブルシューティングのステップを見ていく中で、いくつかご紹介しておきたいことがあります。
手動作業のパワー
たとえば、「ただちにスナップショットをアップロード」を実行したとしましょう。次に、ジョブアクティビティのページに移動し、各ステップのステータスを確認します。
するとすぐに、CAW(Centralized AWR Warehouse)ジョブとして「ただちにETLを実行 (CAW_RUN_ETL_NOW)」が目に留まり、実行中にクリックすることでその進捗状況を見ることができます。
画面の左側に、ソースデータベースからの抽出が進行中とあり、右側にはログを見ることができます。これは、タブをクリックするたびに画面全体がリフレッシュされてデータを更新していたEM12cよりも効率的なビューです。
各ステップをハイライトすることで、そのプロセスの所要時間や開始時刻、終了時刻を見ることができます。完了度グラフでは、そのプロセス内の各ステップで要した時間もわかります。
ここではジョブが正常に終了したことがわかります。もし正常終了でない場合は、失敗したステップが赤色の×で表示され、その詳細を掘り下げたり、ログをダウンロードすることもできます。気づいた方もいるかもしれませんが、画面上部右側からクラシックビューに切り替えることもできます。使いたい人がいるかわかりませんが。新しいジョブシステムのほうが使いやすいですし、観察もしやすいですからね。
考察
さて、先ほどのジョブ一覧の中にCAWで始まる名前のジョブが「もう二つ」あったのに気づいた方はいますでしょうか?はい、これがキーポイントです。AWRスナップショットをロードするジョブは高速化しており、すぐにデータを利用可能なようになっているにもかかわらず「最近のアップロードがありません」と表示される理由は、この初回ロードのジョブが日中の時間帯の外でスケジュールされるからです。
つまり、午前中にアップロードがされていないデータベースが見つかったとしても、すぐにジョブが流れるわけではなく、EMの配置されているタイムゾーンの午後5:53(上記例)になるまではジョブは開始されません。
サマリー
この投稿を通じてお伝えしたかったことは:
- AWRウェアハウスに追加されたデータベースはすぐにロードを開始するわけではなく、24時間以内にスケジュールされているジョブのうちCAWで始まる名前のものを見て、いつごろデータが利用できるようになるか推測します
- 「アクション」メニュー中の「スナップショットを即時アップロード」をクリックすれば、すぐにデータをロードすることができます
- AWRウェアハウスの抽出、転送、ロードに関するトラブルシューティングをする際は、EMのジョブシステムに記録されたエラーハンドリングを見るのが最もよい最初の一歩です
- Enterprise Manager 13cで進化したジョブシステムのページはとても良いです
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